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【法律講座】民法改正~債権法・相続法の改正~ その①

2019.06.17

土地活用コラム

民法の改正が迫っています。
今回の改正のうち、オーナーの皆様に関係が深いと思われる賃貸借と相続について、解説をしていきます。
今回は、その最初として、改正の概要をお伝えします。

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【1】まず、賃貸借の分野で、次のような改正がありました。

 ①保証人から請求があったときは、貸主は保証人に対して、借主の賃料支払い状況、賃貸物件の使用状況などについての情報を提供しなければなりません。
 ②保証人が個人の場合、保証人が責任を負う限度額である極度額を定めなければなりません。
 ③借主が事業のために賃借をする場合、借主は保証人に対し、自分の財産、負担している債務などについて、保証人に情報を提供しなければなりません。
 ④賃貸物件の一部が、借主の責に帰することができない事由によって使えなくなった場合、賃料は、使えなくなった部分の割合に応じて当然に減額されます。
 ⑤修繕が必要なのに貸主が修繕してくれない、また修繕をしなければならない差し迫った事情があるという場合、借主は貸主の了解がなくても賃貸物件を修繕することができます。
 ⑥原状回復義務、敷金に関する規定が明記されました。


【2】相続法の分野でも、次のような改正がされました。

 ①自筆でない財産目録を添付して、自筆証書遺言を作成できるようになりました(すでに2019年1月13日より施行済み)。
 ②残された配偶者の居住権を確保するための、配偶者居住権・配偶者短期居住権が新設されました。
 ③配偶者保護のため、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産の遺贈または贈与がなされた場合に、持戻し免除の意思表示があったと推定されることになりました。
 ④遺産となる預貯金について、生活費や葬儀費用の支払い等の需要に対応できるよう、遺産分割前に預貯金の一部の払い戻しができることになりました。
 ⑤相続人以外の親族が被相続人の療養看護等を担った場合に、その者の貢献を考慮し、一定の要件のもと、相続人に対して金銭請求ができることになりました。
 ⑥遺留分減殺請求の物権的効力が否定され、遺留分侵害額に相当する金銭の請求権が生じるなど、遺留分制度の見直しがされました。
 ⑦遺言書によるものか遺産分割によるものかにかかわらず、自己の法定相続分を超える権利の承継については、対抗要件を具備しなければ第三者に対抗することができなくなりました。
 ⑧相続開始後遺産分割前に、一部の相続人によって遺産が処分された場合に、計算上生じる不公平を是正するための方策が新設されました。
 ⑨法務局における自筆証書遺言の保管制度が新設されました。


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弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
代表弁護士 森田 茂夫氏

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