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【法律講座】相続法改正~遺産分割に関する見直し~ その②

2019.12.19

土地活用コラム

相続法改正~遺産分割に関する見直し~ その①では預貯金の一部払い戻しの制度についてご紹介しました。

今回は「相続開始後遺産分割前に一部の相続人によって遺産が処分された場合の不公平を是正するための制度」についてご紹介します。

【2】相続開始後遺産分割前に一部の相続人によって遺産が処分された場合の不公平を是正するための制度

 遺産分割協議が整う前であっても、各共同相続人は自己の共有持分(例えば、遺産である士地建物のうち自己の法定相続分相当の持分)を第三者に売却することが可能です。
しかし、遺産分割前に一部の相続人によってこのような処分がなされた場合、事案によっては、処分をした相続人の最終的な取得額が、処分が行われなかった場合に比べて大きくなり、その反面、処分をしなかった他の相続人の取得額が小さくなってしまうことがあるなど、相続人間で不公平が生じる可能性があります。

そこで、改正相続法では、こうした不公平な事態を防止するための方策を新たに設けました。具体的には、遺産分割前に一部の相続人によって遺産となるべき財産が処分された場合であっても、共同相続人は、その全員の同意により、処分された財産が遺産分割時になお遺産として存在するものとみなこすとができる、と規定されたのです。なお、「全員の同意」の中には、遺産分割前に遺産を処分した当の相続人の同意は含まれませんから、処分をしなかった他の相続人の意見が一致すれば「全員の同意」があったことになります。

この改正は、令和元年7月1日から施行され、令和元年7月1日より前に遺産分割が終了している事案には適用がありません。

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弁護士法人グリーンリーフ法律事務所
代表弁護士 田中 智美氏

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